やっかいな交渉相手に公正な提案をさせる方法について、保険金請求や企業買収などの交渉において関係当事者双方が合理的な提案を持って話し合いに臨むことで、お互いにメリットがあるということがあります。しかし、相手が公正になろうとしない場合、どうすれば合理的になってもらえるのでしょうか。
その解決策として、筆者らは「最終提案仲裁チャレンジ」という新たな交渉戦略を考案しました。この戦略は、不合理な相手との交渉でも公正な合意に効率よく到達する方法です。
この戦略のポイントは、最終提案を仲裁者に依頼することです。仲裁者は公正な立場で交渉を見守り、最終的な提案を行います。この提案には双方の合理的な要素が反映されており、公正な合意に至ることが期待できます。
また、この戦略では仲裁者の選定も重要です。信頼性や公正さを持つ仲裁者を選ぶことで、相手も納得しやすくなります。さらに、交渉の前には双方が合理的な提案を準備することも大切です。スタート地点が現実的であれば、双方の提案も足並みが揃いやすくなります。
この戦略を用いることで、やっかいな交渉相手にも公正な提案をさせることができます。相手が合理的になることで、交渉は比較的丁寧で迅速かつ公正に進むことが期待できます。
以上が、『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー（2017年6月号）』に掲載された記事を電子書籍化した「最終提案仲裁チャレンジ」についての説明です。この戦略を活用することで、交渉において公正な合意に到達することができるでしょう。
