P+D BOOKSの「四十八歳の抵抗」は、中年の男性の心の葛藤を描いた「男性研究の書」です。この物語は、1955年から56年にかけて読売新聞で連載され、大きな反響を呼び、流行語にもなりました。
物語の主人公は、保険会社の次長である西村耕太郎という48歳の男性です。彼は真面目に仕事に打ち込み、恵まれた家庭を持ち、外から見れば幸せそうな日々を送っているように見えますが、実際には何かが足りないと感じています。
そんな彼の心情を見抜いた社内の島田から、ヌード撮影会に誘われます。そして、一度も恋愛経験がない焦燥感から、耕太郎は19歳のバーの娘、ユカリを口説いて熱海の旅館に出かけるのですが――。
この物語は、社会的な地位を持ち、体裁を保ちながらも、まだ燃え上がる激情を秘めた「ミドルエイジ・クライシス」を描いています。男性の心の内側に秘められた普遍的なテーマを探求した「男性研究の書」と言えるでしょう。